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判例から学ぶ
カスハラ対策

近年、カスハラはますます身近な問題となっています。
一方、何が問題で、どう防げばよいのか、わからない方も多いのではないでしょうか?
こちらでは実際に起きた判例のケースを元に、
その問題点と対策について紹介をしていきます。

  • 〈第1回〉
    事業者として
    カスハラに備えましょう
  • 〈第2回〉
    Coming Soon
  • 〈第3回〉
    Coming Soon

事業者としてカスハラに備えましょう

事業者のカスハラ対策が
不十分な場合に生じるリスク

事業者の場合

カスハラ対策が不十分な場合、就業者に対する安全配慮義務に違反する可能性があります。
就業者の就業環境を守るためにも、事業者としてカスハラの未然防止や発生時の対応に取り組むことが重要です。

就業者の場合

顧客等からのカスハラ行為により、当事者としてさまざまな被害(精神的な苦痛・身体的な痛みなど)を受けることがあります。

(顧客等からの)
  • 長時間の執拗な電話
  • 暴言・脅迫
  • 過度な謝罪要求
など
一般的なカスハラの類型・具体例は「カスハラの代表的な行為」ページでも解説しています。

カスハラをどう防ぎ、
どう対応していくべきでしょうか?

事業者ができることの例

  • 方針やマニュアルの周知

    組織としての方針を定め、内外へ周知するとともに、エスカレーション基準や対応の記録方法などを定めたマニュアルを整備しましょう。

  • 教育・研修の実施

    カスハラへの具体的な対応について、就業者への教育や研修等を実施しましょう

  • 就業者のケア

    上司等による社内におけるケアはもちろん、必要に応じ外部の専門家(産業医等)も活用しながら、カスハラを受けた就業者の心身のケアに取り組みましょう。

※エスカレーションとは

問題やトラブルが発生した際に、上位の管理者や専門部署に報告し、指示を仰ぐプロセスを指します。

就業者ができることの例

  • 方針等の遵守

    職場の方針を理解し、マニュアルを遵守した対応を行いましょう。

  • 対応の記録

    日付や時間、相手の言動等を記録し、上司に報告しましょう。

  • 一人で抱え込まない

    カスハラの被害に遭った後、日々の業務等を辛く感じるような場合は、上司・担当部署・相談窓口へ早めに相談・共有するようにしましょう。

※エスカレーションとは

問題やトラブルが発生した際に、上位の管理者や専門部署に報告し、指示を仰ぐプロセスを指します。

「動画で学ぶカスハラの知識」のページでは、動画からカスハラの対応のポイントなどを学ぶことができます。

実際にあったケース

東京高判 令和4年11月22日
(NHKサービスセンター事件)

【判例の概要】

コールセンターの従業員が電話対応の際に暴言等を受けたことについて、事業者に対し、こうした暴言等に触れさせないよう安全配慮義務に違反したと主張し、損害賠償を請求した事件です。
これに対し、裁判所は、事業者は従業員の心身の安全を確保するためのルールを定め、それに沿った対応をしており、従業員に対する安全配慮義務に違反したとはいえないとして、従業員側からなされた賠償請求を認めませんでした。

本判決においては安全配慮義務違反は否定されましたが、もし、事業者の対応が不十分であった場合は、安全配慮義務違反が成立しうることになります。
事業者としては、カスハラを放置すること、十分な対応をしないことなどが、法的に「安全配慮義務」の問題になることを、十分に確認しておくべきといえるでしょう。

今回のまとめ

カスハラはいつ起こるか分からない。
備えることが、
未然防止と再発防止の鍵になる。

カスハラは、働く人の安全や健康を害する深刻な問題です。
従業員が安心して働けるよう、事業者として、カスハラ対策を行いましょう。

なお、令和7年6月には改正法(労働施策総合推進法の改正)が成立し、カスハラ防止措置を行うことが事業主の義務となることとなりました。
令和8年10月から施行される(義務付けが始まる)予定です。
今後、国の指針において具体的な防止措置の内容が示される予定ですので、こうした内容も含め、最新の情報を確認し、カスハラ防止対策に取り組みましょう。

原 昌登

監修

令和7年度監修担当
成蹊大学法学部教授

原 昌登

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